Gemini PDAが届いたよという話

まあ買っちゃってたんですよ。使わないのも何なのでがんばって(と言う時点でお察し)使ってみた中で思ったことをつらつらと。

アプリ

特筆すべきところは特にない。そもそも通知によってledの色を変える機能には特に世話になってはいないので。そして常時Sshからつないだemacs上の住人と言うわけでもないので、SSHターミナルアプリのショートカットがあってもなあ。まぁそもそも自分自身がこの製品が対象とする層ではなかったのかもしれない。

ただし、キーボードについては思うところがたくさんある。

メンブレンのいけてなさ

何でパンタグラフキーボードにしなかったんだろう。Engadget JPのレビューにもあるとおり、指先がキートップ中央部をミートしなかった時の引っかかり、押しにくさがひどい。そしてこのキーピッチのキーボードであれば、指がキートップの芯をジャストミートするなんてそうそうありえないのだ。

タイプ押下時の引っかかりは多少強めにタイプすればすむ話なのだけども(それはそれでストレス)、押下後に指を放した際のキーの戻りに引っかかりがあるのはとても不安がある。次にそのキーをタイプしても大丈夫かと言う部分にまで心配なんぞしたくないのだ。

シャープのNetWalkerの酷いキーボード(メンブレンの上にキートップを貼っつけただけっぽい)よりはまだマシ、っぽい。

Androidの仮想キーボードと物理キーボード

ここは長いこと勘違いしていたのだけども、設定画面の「仮想キーボード」はインストール済みの各IMEの中から使用するIMEを選択する部分、「物理キーボード」はインストール済みの各IMEに、それぞれどのキーマッピングを使用するかを割り当てる部分だった。

公式キーボードのアプデ後、これが分かってからようやく日本語配列(のような配列。未実装がちょくちょくある。)で入力できるようになった。

キー配列、特に長音

ここは発売前にレビューを投げておくべき部分だったのだけども、長音記号の入力がShift+スペースバー右のキー、と言うのが、頻繁に使う記号入力だけに、つらい。

物理ナビゲーションキー

いわゆるホーム画面、戻るボタン、タスク切り替えボタン、の割り当てがかなり優先度低くてな。オンスクリーンのナビゲーションバー使えということなのだろうなあ。

フリック後の世界におけるノスタルジー

とまあ、ここまで無茶なキーピッチの端末で文字列を打っていてようやく、昔はこのような無茶なキーピッチでの文章入力自体が楽しいんだった、ということを思い出した。ともすればGraffitiでのローマ字入力でさえも。

それは、デスクトップ PCや3kgあるノートPCに頼らず、どこでも文字データで書き留めることができることの楽しさだったような気がする。

今となっては、私たちはベル打ちを越えて(これはこれで高速で快適な入力だった)、フリック入力が普及した後の世界に暮らしている。日本語入力には(そしてベル打ちアルファベット入力者にとっては、アルファベット入力でさえも)フリックで通常生活になにの問題もないのだ。

もう今の世界では、たったまま、片手で、歩きながらでもフリック入力で文字を入力できるのだ。座らないと使えない・立っていれば両手親指を要求する「モバイルQwertyキーボード」は単純に面倒くさいのだ。フルピッチのキーボード以外は、過去へのノスタルジーにすぎないのではとすら思える。

正直、ウィルコムのアドエスもSortInchKeyでベル打ちメインで使ってた。すまん。

Vaio TypePとかwillcom d4以下のサイズのキーボードなあ。とはいえスマホにBluetooth接続のキーボードで打つよりは、通信のラグもチャタリングも取りこぼしもなくて安心感は高いぶん、マシっちゃあマシなのではある。

クリップボード操作は完全にこっちの方が便利

ただし、shift押しながらカーソルキーで選択、Ctrl押しつつでコピペだの移動だのと言う操作は1000000000000%こっちの方がマシですだ。この時だけはありがとう物理キーボードフォーエヴァーラヴ物理キーボードっってなる。

画面解像度&密度について

クソデカアクションバー&ボトムタブナビゲーションバーに縦幅を蹂躙される横長画面。ド畜生。いくら何でもつらい。一番解像度を下げて480ppiってどういうことだ。320ppiで十分だし下手すりゃもっと密度下げて「ちっさいUI要素&大きめの文字」でもいいくらい。

横長画面なので、左右分割で2アプリ実行のメリットはあるけども、左右に分割したところで画面密度も縦方向の狭さも変わりはしないのだ。

画面回転について

となると、ふつうに日常使いしようとすると、端末の向きで自動回転してほしさが出てくるのだけど、Dockバーのメニューからしか回転できないというタップ数の無駄メシ喰らい。つれー。

結論

中身は普通にLTEで通信できるモダンなAndroid機だし、モバイルアプリケーションフレームワークとしてやっぱAndroidってWindowsよりよくできているので、ガジェット好きなら買ってもいいと思う。少なくともこの手のガジェットのAndroid前時代における、組み込みLinuxとしていろいろ改善したら結構使えるよ、という時代とは大違いで、使えるデバイスだ。けど、ふつうにGPD Pocketとか買っといた方がいいんじゃないかな。